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スクリッティ・ポリッティとマイルス・デイヴィス

前の記事を書いていて、また疑問が。
スクリッティ・ポリッティ(Scritti Politti)の特集が載ってる『ミュージック・マガジン(2006 October)』には、「パーフェクト・ウェイ」のアナログ・シングル盤は第4弾シングルとあるが、自分が持ってる盤には“『キューピッド&サイケ 85』からファースト・シングル”と書いてある。ジャケット・デザインも、特集ページに載ってる「ザ・ワード・ガール」のデザインだ。
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晩年はマイケル・ジャクソンやシンディ・ローパーのカヴァーをするなど、ポップスに傾倒したマイルス・デイヴィスだったが、スクリッティ・ポリッティをカヴァーするきっかけは『TUTU(1986年)』の制作時に、プロデューサーから渡された参考音源だったそうだ。その中に入っていた「パーフェクト・ウェイ」を気に入り、バック・トラックをマーカス・ミラーに作らせた。しかもオリジナル(当時の欧米盤のヴァージョン)ほとんどそのままのアレンジで。そもそもマーカス自身『キューピッド&サイケ 85』に数曲参加していたという縁があったが、マーカスを通じたスクリッティ・ポリッティとマイルスとのつながりは曲のカヴァーだけにとどまらず、スクリッティ・ポリッティが次作『プロヴィジョン(1988年)』をマーカスを含めたメンバーで作っていたスタジオの数ブロック先のスタジオで、マーカスはマイルスともレコーディングをしていいて、彼らを気に入ってるマイルスがスタジオにちょくちょく顔を出すようになり、ついには御大本人も『プロヴィジョン』に参加することになったのだ。マイルスが参加した「オー・パティ」というバラード曲は、マイルスのトランペットのための曲といってもいいくらいの曲。マイルスが参加ということで、そのために作った曲なのかも知れない。(未調査です…)
『プロヴィジョン』『キューピッド&サイケ 85』を、ソリッドにして余分な音をそぎ落としたようなアルバムで、前作のバリエーション豊かな音色が“ある程度”統一された感じがする。特にスネアを始めドラム・セット(あえて、そう言います)の音色が前作ほど曲ごとの違いが少ない。何かの雑誌で読んだ記憶では、スネアのサンプリングをするだけの作業で何週間もかけたそうだ。