小津安二郎の「色」/オフィス、アパート・・・

小津安二郎の色彩について、有名な「赤(朱色)」ではなく
あえて「緑」に注目してみると、色々と興味深い発見がある。
(※下記『関連記事』の続き)
お馴染み“娘が嫁ぐシリーズ”3作品でも、多くの場面で
大道具から小道具に至るまで「緑」が至るところに登場。
そこに、いつもの「朱(あか)」がアクセントを効かせてます。
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カラー作品全体を通して、かなり意図的な色彩設計があるのは確実だが
それが一体どこまで厳密に計画されたものなのか。
まずは、どの作品にも共通した“場面(パーツ)”を並べて比較してみた。
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幾度となく登場するオフィスの塗装色もまた、緑かと思いきや「ブルー」系です。
 ※もちろん、作品が収められたソフトによって色調が違うし、
  キャプチャーやJPG書出し等々の段階、それと
  表示されるマシンやモニタ等の環境によって変わってくるので
  完璧に正確な比較は無理というのは承知の上です。

ただ『秋刀魚の味(1962年)』では、路子(岩下志麻)の
務めるオフィスだけが「薄紫色」か。
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また、どの作品にも同じような構図で登場するアパートのドアは
『彼岸花(1958年)』『秋日和(1960年)』では、
『お早よう(1959年)』と似たような「緑」だが、
後年に行くに従ってトーンが落ち、遺作の『秋刀魚の味(1962年)』
では「ブルーグレー」…
ひょっとすると、ほとんど「灰色」なのかも。
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そして、東宝作品『小早川家の秋(1961年)』では
全くトーンが違っていて“褐色”系のようです。
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同作品での“オフィス”のドアはというと
他作品のような「ブルー」系ではないようで、ほとんど「灰色」か。
電話機のグレーと比較すると、ほんの少し淡い「薄緑色」かも。

という訳で、カラー作品の中でも『小早川家の秋』は“異色”なのですが
それについては、また後日アップします。

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by quampaney | 2009-12-23 21:05 | 映画 / アニメ | Comments(0)