小津の切り返しショット[3]:イマジナリーライン超え

『小津の切り返しショット[2]』で、検証から漏れていた代表的なパターンがあった。正面で向き合って会話するパターンだ。たとえば『秋日和(1960年)』での“ゆで小豆”を食べるシーン。
b0183304_2257756.jpg
ツーショットでは、二人がズレて座っているようにも見えるが、手前のテーブルの模様から推測すると司葉子の左肩あたりの延長線上にカメラがあるようだ。二人とも俯いているので視線のラインは描いていない。
b0183304_22573661.jpg
切り返しでは、お互いの真正面からのショットを想定したとすると、いつものように目線が微妙に“同じ方向に”外れている。これこそ「AもBも同じ方向を向くシーン」だろう。そして、これが「切り返しショットがイマジナリーラインを超えて真正面から捉える手法の大原則が破られることはなかった(Wikiより)」という事?
二人の位置関係が真正面だとするとイマジナリーラインは2本あることになる。しかも、どちらのラインも“またいで”いるので、ダブルで「イマジナリーライン超え」をしていることになる。 そして、[パターン4]の「姿勢は変わらず、視線に合わせてカメラがズレる」に当たるかな?
…何だか自分の定義さえ分からなくなってきた (´・ω・`)
いや、そもそも「カット毎の2次元的な“絵”にこだわる」小津安二郎だ。「三次元的な辻褄」を見つけようとする事自体に無理があるのかも知れない。

ところで、“はっきりと”AもBも同じ方向を向くシーンは、前記事に貼った「小津のパロディCM」はズバリそのものでした…(^_^;)
b0183304_2259196.jpg
切り返しのカットではベッキーの身体の向きが変化。
カメラはイマジナリーラインの中で切り替わっています。
b0183304_22594512.jpg

■関連記事
 小津の切り返しショット[2]:視線の先には誰もいない
 小津安二郎『大学は出たけれど』-1
 小津安二郎『学生ロマンス 若き日』-1
 小津安二郎の「青」と「晴天」
 小津安二郎の「朱(あか)」と「アグファ(Agfa)」
 小津安二郎の「緑」/その1『浮草』
 小津安二郎の「緑」/その2『お早う』
 小津安二郎の「色」/オフィス、アパート・・・
[PR]
by quampaney | 2010-04-22 22:38 | 映画 / アニメ | Comments(1)
Commented at 2010-04-23 16:40 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。