分かりにくい認知機能検査:高齢者の免許更新

平成21年(2009年)に道路交通法が改正され、75歳以上になる人は自動車の運転免許を更新する際に「高齢者講習」だけでなく、それを受ける前に『講習予備検査』という認知症テスト(のようなもの)を受けなければいけなくなった。正確に言うと“認知症の診断というような医療検査ではない”そうで、“従来よりもきめ細かい講習を実施するため”の検査とのこと。つまり、本人が認知症のレベルを知るというより、警察庁/自動車学校サイドのための判断材料にするものらしい。
母が予備検査を受けてきて「結果通知書」をもらったのだけど結果の見方がよく分からないというので、その通知書を見せてもらった。

総合点は『-1.273点』
ん?良いのか悪いのか?
内訳は、A:0点、B:13点、C:7点…とのこと。
う〜ん??何点満点のテスト?
ABCそれぞれの検査内容は紙面に書いてあったが、Aは、日時などの把握が出来ているかどうかの検査でBはイラストの記憶力のテスト、Cは、時計の文字盤を描くテストだ。
>>http://www.gov-online.go.jp/useful/article/200905/2.html
b0183304_22485539.jpg
※検査用紙は警察庁のサイトからもダウンロードできる。

結果通知書の説明文には
・36点以上:記憶力・判断力が低くなっています。
・0点超 36点未満:記憶力・判断力が少し低くなっています。
・0点以下:記憶力・判断力に心配ありません。
…とある。
どうやら減点法の検査らしいが、上限と下限は?
まぁ、0点以下だから心配ない結果なんだろうけどピンとこない。
通知書は両面に印刷されている紙面で、裏を見ると計算式が書いてあった。
総合点 =7.731+0.641×A-0.523×B-0.315×C・・・
括弧が付いてないと見づらい。書き直してみる。

総合点 =7.731+(0.641×A)-(0.523×B)-(0.315×C)

何この難しい公式は…。
数字に弱く、お釣りや割勘の勘定さえ苦手な私だが、計算してみた…。
7.731+「0」-「6.799」-「2.205」=-1.273
当然、オモテ面に書いてあった通りの点数だが、いったい何のこっちゃ…。どの程度の症状なのか、いや症状じゃなければどんな具合の“状態”なのか、微妙な数字を見てもモヤモヤするだけ。
紙面には“基準点”らしき「36点」ついての説明が…
●総合点が36点以上あっても、直ちに認知症であることを示しません。
●総合点が36点未満であっても、必ずしも認知症でないことを示しません。
そして「不安のある方は医療機関等で相談されることをお勧めします。」とある。
計算式は細かいのに、判断基準が適当過ぎ。
あと…
●記憶力・判断力が低くなっていても、免許の更新は出来ます。
 ただし、一定期間に信号無視・一時停止違反などの“特定の違反”
 があった場合、専門医の診断を受けることになります。
…とのこと。
違反で済めばいいけど、もし記憶力・判断力が原因で事故を起こした場合、検査側には何も責任がなくなるのか? 
で、「検査結果についての質問は、自動車学校や警察の運転免許担当課まで。」とあったので、採点のモヤモヤについて電話して聞いてみた。

担当者に尋ねると「はい。では、受けられた方のお名前をお願いします」と言われたので「点数の基準などを知りたいだけなので個人情報は関係ないでしょ」と返した。
教えてくれた内容は以下の通り。

A:最悪…113点 → 最良… 0点
B:最悪…  0点 → 最良…16点
C:最悪…  0点 → 最良… 7点

つまり母の場合、AとCは減点なしで、Bのテストでは16個あったイラストのうち3つが間違っていただけというのが分かった。簡単にいうと全体で「減点3」という事じゃん。あ、計算式によると、そんなに単純じゃないのか。
ではパーフェクトなら何点?
7.731+(0.641×0)-(0.523×16)-(0.315×7)
=7.731+0-8.368-2.205=-2.842点

逆に、最低は…
7.731+(0.641×113)-(0.523×0)-(0.315×0)
=7.731+72.433-0-0=80.164点

・・・う〜ん?
80.164点から-2.842点までの幅があるという事になるが、では目安とされている36点とは?
担当者に聞くと「その〜、私たちもよく分かりません」と言われた。詳しい内容については専門的な事になるので知らないという事だ。それで「受ける側ではなく、受けさせる側のための物ですか?」と聞いた。「え、私たちの…ということですか。はぁ、そうですね。。。」どうも腑に落ちないまま電話を切った。
いっそのこと点数なんか「結果通知書」には載せないで『記憶力・判断力が低くなっています/少し低くなっています/心配ありません』くらいの表記の方がよっぽどスッキリする。それとも「80.164点」〜「-2.842点」という複雑怪奇な点数ではなく簡易的に100点満点に換算するとか、もしくは「要・診断」を0点として“問題(異常)あり”を「-50点」〜“問題(異常)なし”を「+50点」という風にした方が分かりやすいのでは?でも「マイナス」が「記憶力・判断力が低い」では、ストレート過ぎてクレームが出るか…。

ネットで「認知機能検査」で検索すると『長谷川式認知症診断テスト』というのが引っ掛かる。採点の判断は…

■ 20〜30点 …異常なし
■ 16〜19点 …認知症の疑いあり
■ 11〜15点 …中程度の認知症
■  5〜10点 …やや高度の認知症
■  0〜 4点…高度の認知症

分かりやすいじゃないですか〜。
それにしても警察庁のサイトで、あらかじめ具体的なテスト内容が分かれば、あらかじめリハーサル出来る人もいるわけで、公平公正な検査とは言えないのでは?

b0183304_9585030.jpg
[PR]
by quampaney | 2011-01-27 22:54 | 日常のボヤき / 独り言 | Comments(0)